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遺言書と法律と実務の性質

遺言書と法律と実務の性質

遺言とは「亡くなられた方が残した言葉」という大きな意味もありますが、その中でも「法的な効力を持つ遺言」という狭い意味での遺言もございます。こちらでは法的な意味を持つ遺言について法律や実務での取り扱いの概要をご案内いたします。退屈な内容かもしれませんが、実際に遺言書を書く場合に少しでも遺言書の理解に役に立てばと思っております。


<遺言書の法律>

・民法における遺言書
民法とは1044条からなる民事に関する一般法で、様々なことがルール付けされています。例えば人からものを買った場合(売買)はこのようなルールですよ、とか物を所有するとはこうゆうことですよ、など基本的なことが記載されている法律です。その民法の中で遺言は第7章の960条から最後の1044条までに規定がしてあります。(正確には1028条以降は遺留分であり、遺言のみに関するものではありませんが)

民法の上記の部分に遺言についてのことが細かく記載してあり、自筆証書遺言は「すべての自筆・日付・署名・押印」が要件だとか、遺言執行者はこのような権限があり、このように指定できますよ、などが記載されています。

遺言書を書くのにすべての法律を知っている必要はありませんし、記載された法律がすべての遺言に当てはまる訳ではありません。遺言執行者を指定しない遺言では遺言執行者に関する法律は当てはまりません。ただし、自身の遺言書に当てはまる部分は法律の拘束を受けるため、それに従わない遺言書は無効であったり、自身が期待した効果が発揮されない可能性もでてきます。



・その他の法律
もし外国にいる日本人が遺言書を作成した場合、どこの国の法律に従った遺言書を作成しなければならないでしょう。このよう様なルールは「遺言の方式の準拠法に関する法律」や「法の適用に関する通則法」により決められています。
これらによると外国にいても日本の民法に従った遺言書でも効力が発生します。また、遺言書の無効等の判断も日本の民法に従いますが、遺言書を実現させる手続きについては本国の法律による場合もあり、注意が必要です。


・遺言の周辺の法律
遺言書自体の法律は民法に従いますが、遺言書を実行する過程では他の法律に従うこととなります。例えば不動産の相続に関する手続きは不動産登記法に従いますし、相続税を支払うときは相続税法に従うこととなります。
遺言書を残すときも相続税や不動産のことを考慮しなければならないときはこれらの周辺の法律にも気を配ることでよりよい遺言書が作成できます。



<判例>

民法だけでは遺言書の全てを判断することができません。法律全般に言えることですが、法律は文章で書いてあるため、読み手の解釈の仕方で意味が変わってくることが多々あります。遺言の場合も同じで、残された遺言書について解釈に違いが発生した場合、裁判の判決にてその問題に決着が付き、以降はその判例がルールとして定着します。

判例でのルールの例をいくつか挙げてみます。自筆証書遺言で「平成23年9月吉日」は有効か無効か。民法には日付を記載すると書いてあるだけです。「吉日」は普段より利用される表現です。有効でしょうか無効でしょうか。判決では無効とみなされました。方の趣旨は日付が特定される必要があるため、吉日では無効だと言いました。「平成23年誕生日」は日付が特定できるので有効のようです(実際に作成される時は日付をしっかり記入してくださいね)

他には「相続させる」という表現です。法には書き方については指定がありませんので「譲渡する」や「あげる」でも構いません。しかし法律の専門家が遺言書を書くと必ず「相続させる」とします。これは過去の裁判で『「相続させる」は遺産分割の方法の指定である』と判決が出たためです。つまり、様々な表現がある中で「相続させる」は判決により法的性質が明確になっているため、後のトラブルなどでも主張がし易いのです。
なお、「譲渡する」や「あげる」の問題点は「相続させる」と同じように遺産分割の方法の指定であるか、それとも遺贈であるかの意見があり、それにより権利関係が変わってくる可能性があるためです。



<実務

遺言書は法律や判例だけでなく実務の点でも縛りがあります。先にご案内した税は相続税法、不動産は不動産登記法に従うことも実務に必要です。他には金融機関での手続きです。

民法には「遺言書があれば金融機関でお金が下ろせる」とは書いてありません。民法の表現は抽象的ですので、金融機関もその表現を解釈し、独自のルールを策定します。そのため、遺言書には「預貯金はA氏に相続させる」と書いてあってもa銀行は遺言書とA氏の印鑑で手続きができるのに、b銀行では遺言書に加え相続人全員の印鑑が必要であるなどの手続きに違いがでてきます。
税金に関する税務署や不動産に関する法務局は行政ですので法律に従い手続きをしてくれますが、金融機関等は民間ですので独自のルールにて手続きを進めますので、遺言書作成の時にここまで考慮するならば、遺言執行者を指定するなど法律の範囲内で可能な限りの対策をすることとなります。




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行政書士 豊島史久
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